相続した不動産は早く売却した方が良い?売却の流れやかかる税金について|京都の不動産売却は京まん住|運営02不動産(セカンド不動産)
「相続した不動産の売却の流れは?」
不動産を相続した人の中で、このように考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では相続した不動産を早く売却するメリットや、具体的な売却の流れについて紹介しています。
この記事を読めば、相続した不動産の売却についての情報を網羅できますので、是非ご一読ください。
相続した不動産を早く売却するメリット
相続した不動産を早く売却すると、複数のメリットを得ることができます。
どのようなメリットを得られるか把握し、不動産を相続した際に慌てて売却することがないようにしておきましょう。
相続不動産を売却するメリット
相続した不動産を売却するメリットがあるのか考えている人もいるのではないでしょうか。相続した不動産を売却することで得られるメリットについて、以下の5つを紹介します。
・控除や特例を受けられる
・固定資産税と都市計画税の負担がなくなる
・火災保険料や地震保険料の残存期間分が戻ってくる
・遺産分割がしやすくなり相続トラブルを回避できる
・相続税の納税資金を確保できる
控除や特例を受けられる
相続不動産を売却することで得られる1つ目のメリットは、控除や特例を受けられることです。
詳細は後述しますが、不動産を相続した日から一定の期間が経過する前に不動産を売却することで、税金が優遇されます。
不動産を売却することで発生する税金は税額も大きいため、受けられる控除や特例を有効活用して支払額を抑えることをおすすめします。一定の期間が設けられているため、相続した不動産を早く売ることで控除や特例を受けられます。
固定資産税と都市計画税の負担がなくなる
相続不動産を売却することで得られる2つ目のメリットは、固定資産税と都市計画税の負担がなくなることです。
相続した不動産を売却しない場合、不動産を所有していることで発生する「固定資産税」と「都市計画税」を負担する必要があります。
住宅が建っていれば固定資産税と都市計画税は優遇措置を受けていますが、空き家を放置しすぎてしまうと「特定空き家」に認定され優遇措置が受けられなくなります。
不動産を所有しているだけで固定資産税と都市計画税の支払義務が発生し、放置すれば税額も増額されるため相続した不動産を早く売却することで、固定資産税と都市計画税の負担がなくなることはメリットと言えるでしょう。
火災保険料や地震保険料の残存期間分が戻ってくる
相続不動産を売却することで得られる3つ目のメリットは、火災保険料や地震保険料の残存期間分が戻ってくることです。相続した不動産に建物が建っていた場合、多くの場合は火災保険や地震保険に加入しているでしょう。
たとえば、10年契約で火災保険に加入していた場合に、相続した時点で残り5年分残っていればその分の保険料は戻ってきます。ただし、火災保険を解約する際の手数料や、自分で保険会社などに申請する必要がある点には注意しておきましょう。
遺産分割がしやすくなり相続トラブルを回避できる
相続不動産を売却することで得られる4つ目のメリットは、遺産分割がしやすくなり相続トラブルを回避できることです。相続財産を複数人で分割する場合不動産は分割しにくいですが、売却して現金化することで遺産分割がしやすくなります。
不動産を共有名義で相続する選択肢もありますが、共有名義にすると売却時に名義人全員の同意が必要になったり、固定資産税の負担割合、不動産は誰が維持するのかなどトラブルの原因となります。
相続した不動産を売却し現金化することで、相続人が複数いた場合にも遺産分割がしやすく相続トラブルを回避することができます。
相続税の納税資金を確保できる
相続不動産を売却することで得られる5つ目のメリットは、相続税の納税資金を確保できることです。
財産を相続した場合は相続税の納税義務が発生し、評価額が大きい不動産を相続した場合には多額の相続税が発生する可能性があります。
現預金を相続した場合であれば発生した相続税に対しそのまま納税ができますが、不動産のままだとそうはいきません。不動産を売却することで相続税の納税資金を確保できます。
相続した不動産を売却する際の控除や特例
相続した不動産を売却する際には、譲渡所得税や住民税を納付する必要がありますが、一定の期間内に相続した不動産を売却することで、控除や特例を受けることができます。今回は相続した不動産を売却する際に受けられる控除や特例について以下の2つを紹介します。
・取得費加算の特例
・空き家売却の特例
ただし、紹介する2つは併用することができませんので、どちらが大きな控除を受けられるのか税理士や不動産会社に相談してから判断するのがおすすめです。
取得費加算の特例
まずは、取得費加算の特例について紹介します。
取得費加算の特例とは、相続した不動産を一定期間内に売却することで、相続税額のうち一定金額を売却時の取得費に加算できる制度です。
不動産を売却する際には譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税は課税譲渡所得金額に税率をかけて算出しますが、この課税譲渡所得金額を算出する際に「取得費」が関係してきます。
課税譲渡所得金額の算出方法は以下の通りです。
収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額
引用元:国税庁このように、取得費の額が大きくなることで、譲渡所得税を抑えることができます。
また、取得費加算の特例を受けるためには以下の3つの要件を満たす必要があります。
・相続や遺贈により財産を取得した者であること
・その財産を取得した人に相続税が課税されていること
・その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること
取得費に加算できる金額は国税庁の計算式に則って計算されますが、具体的な金額については税理士に相談するのがおすすめです。
空き家売却の特例
次に、空き家売却の特例について紹介します。
空き家売却の特例とは、相続した不動産を一定期間内に売却することで、譲渡所得から最大3,000万円を控除することができる制度です。
被相続人と相続人が同居をしていれば、相続人がそのまま住むケースも考えられますが、別居していた場合には被相続人が住んでいた住宅が空き家になる可能性があります。空き家の老朽化は近隣への被害や街の景観を損ねるなど、多くの悪影響を及ぼしかねません。
そのため、この空き家売却の特例を活用し、早期に相続不動産を売却するのがおすすめです。
空き家売却の特例を受けるためには以下の7つの要件を満たす必要があります。
・昭和56年5月31日以前に建築されたこと
・区分所有建物登記がされている建物でないこと
・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
・相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないこと
・譲渡の時において一定の耐震基準を満たすものであること
・相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
・売却代金が1億円以下であること
譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度なので、該当する人は忘れずに申告しましょう。
相続した不動産売却の流れ
不動産を相続した際の売却の流れが知りたい人もいるのではないでしょうか。
相続した不動産売却の流れは以下の5ステップです。
・遺言書の確認
・相続する財産・相続人の確認
・遺産分割協議を行う
・相続登記、名義変更をする
・不動産を売却する
遺言書の確認
相続した不動産売却の1ステップ目は、遺言書の確認です。遺言書があるかどうかで相続人や相続の手続きが異なります。遺言書が見つかった場合は法定相続人でどれだけ話し合っても遺言書の内容が優先されるので、まずは遺言書を探して内容を確認しましょう。
遺言書は大きく分けて3種類でそれぞれに特徴があります。
自筆証書遺言
1つ目は、自筆証書遺言です。
自筆証書遺言は、遺言者が遺言書の本文を自ら書いて作成する遺言書です。
筆記用具や紙、文章の書き方に指定がないため、印鑑があればボールペンでノートに書いた文章でも自筆証書遺言を作成できます。
なお、多数の財産を保有している人は、別紙で財産目録を準備しておくと自筆で書く文章が減るのでおすすめです。
公正証書遺言
2つ目は、公正証書遺言です。
公正証書遺言は、公証人に遺言書を作成してもらう遺言書です。
自分一人で完結できる自筆証書遺言とは異なり、公証人という法律の専門家のチェックが入るため遺言の内容についての確実性が高まります。
相続人が複数名いた場合に、特定の誰かに相続させたいといった自分の気持ちを確実に遺言に残したい人には公正証書遺言がおすすめです。
秘密証書遺言
3つ目は、秘密証書遺言です。
秘密証書遺言は、内容を明かさないまま遺言の存在だけを公証役場で認証してもらう遺言書です。
遺言の内容を誰にも明かしたくない人におすすめの遺言書ですが、自筆証書遺言や公正証書遺言と比べると秘密証書遺言を利用している人は少ないです。
相続する財産・相続人の確認
相続した不動産売却の2ステップ目は、相続する財産・相続人の確認です。遺言書があれば相続する財産と相続人は明らかになっているので、遺言書の記載の通りに相続をする必要があります。
しかし、遺言書がない場合は法定相続人が相続することになります。
法定相続人とは、民法で定められた被相続人の財産を相続できる人のことで、以下の優先順位が定められています。
・死亡した人の子供
・死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
・死亡した人の兄弟姉妹
たとえば、子供がいない場合や先に子供が亡くなっている場合は、被相続人の直系尊属が法定相続人となります。
遺産分割協議を行う
相続した不動産売却の3ステップ目は、遺産分割協議を行うことです。遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を協議することで、相続人全員で行う必要があります。
遺言書がある場合は遺言に則って相続しますが、遺言書がない場合は法定相続割合で相続するか、遺産分割協議を行い誰がどれだけ相続するかを相続人全員で話し合います。
遺産分割には4つの方法があります。
現物分割
遺産分割の1つ目の方法は、現物分割です。
現物分割とは、財産を物理的に分ける方法で誰がどの財産を相続するかが明確になる方法です。たとえば、相続財産がアパート2棟で相続人が2人の場合に、アパートを1棟ずつ単独で相続することになります。
不動産が共有名義にならずに、それぞれが単独名義で相続することができるので、最も公平性が高い遺産分割方法と言えます。
換価分割
遺産分割の2つ目の方法は、換価分割です。
換価分割とは、不動産などの財産を売却して現金化してから等分に分配する方法です。たとえば、2,000万円の不動産1つを2人の相続人で分ける場合、2,000万円を現金化して1,000万円ずつ受け取ることになります。
財産を現金化して等分に分配されるため、争いにくいのが換価分割の特徴と言えるでしょう。
代償分割
遺産分割の3つ目の方法は、代償分割です。
代償分割とは、特定の人が不動産を相続する代わりに他の相続人へは現金を支払う方法です。たとえば、相続人が3人で、3,000万円の不動産を1人が相続する場合、不動産を相続した相続人が他の2人に対し1,000万円ずつ支払うことになります。
不動産の評価方法が相続人によって異なった場合、争う要因となる可能性がある点には注意が必要です。
共有分割
遺産分割の4つ目の方法は、共有分割です。
共有分割とは、1つの不動産を法定相続の割合に応じて共有で相続することです。たとえば、1つの不動産を配偶者と子供2人で相続する場合、配偶者が2分の1、子供は4分の1ずつ相続することになります。
固定資産税などの維持費も所有権割合に応じて負担することになりますが、売却する際や誰が不動産を維持するかなど争う要因となってしまう点には注意が必要です。
相続登記、名義変更をする
相続した不動産売却の4ステップ目は、相続登記、名義変更をすることです。不動産を売却する際は所有者本人の意思確認が必要で、不動産の名義が被相続人のままでは、不動産を売却することができません。遺産分割協議で不動産の相続人が決定したら、相続した不動産を管轄する法務局で相続登記の申請をしましょう。
もしくは、法務局への申請は司法書士が代理で行えるため、税理士や銀行、不動産会社から紹介される司法書士へお願いしても良いでしょう。
不動産を売却する
相続した不動産売却の5ステップ目は、不動産を売却することです。不動産の相続人や権利関係がまとまれば、ここからは一般的な不動産売却の流れと同じです。不動産売却の流れは以下の通りです。
不動産会社への相談・査定依頼
まずは、売却活動をしてくれる不動産会社を選定するために、不動産会社へ相談と査定の依頼をしましょう。
相続した不動産がいくらで売れるのかによって、相続人の分配金なども異なるので、査定に必要な書類を準備します。
不動産会社に査定をしてもらった金額で必ず売れるわけではありませんが、金額のイメージを持っておくことが大切です。
相続した不動産の立地や敷地形状によっては割安で売却せざるを得ない可能性もあるので、まずは相談から始めましょう。
不動産一括査定サイトで複数社を比較
次に、不動産一括サイトで複数社を比較しましょう。
従来は売却価格の査定に必要な書類を持って、不動産会社に足を運んで査定の依頼をしていましたが、現在では不動産一括査定サイトで複数社に査定を依頼することもできます。
不動産一括サイトを利用することで1件ずつ不動産会社に足を運ぶことなく、複数社の査定を比較できます。
査定額に大きな差は生まれませんが、地域に根付いた不動産会社や購入希望者を抱えている不動産会社であれば、他の不動産会社よりも高めの査定額を提示してくることもあります。
しかし、高めの査定額を提示して媒介契約を促してくる不動産会社もいるので、査定をしてくれた不動産会社の中で複数社選定し、金額の根拠などを聞いて納得できた不動産会社にお願いするのがおすすめです。
媒介契約
不動産会社を選定したら、選定した不動産会社と媒介契約を締結しましょう。
媒介契約には以下の3つの契約方法があります。
専属専任媒介契約
1つ目は、専属専任媒介契約です。
専属専任媒介契約とは、不動産会社1社にしか依頼ができない契約形態です。専属専任媒介契約を締結した不動産会社は、5営業日以内にレインズに物件情報の登録をし、1週間に1回以上売主に進捗を報告する必要があります。
専任媒介契約
2つ目は、専任媒介契約です。
専任媒介契約とは、不動産会社には1社しか依頼できませんが、自分で購入希望者を探すことができる契約形態です。
専任媒介契約を締結した不動産会社は、7営業日以内にレインズに物件情報の登録をし、2週間に1回以上売主に進捗を報告する必要があります。
一般媒介契約
3つ目は、一般媒介契約です。
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に依頼ができ、自分でも購入希望者を探すことができる契約形態です。一般媒介契約を締結した不動産会社には、レインズの登録や売主への報告は義務付けられていません。
複数の不動産会社に依頼することで窓口が広がり買主を早く見つけられる可能性もありますが、一般媒介契約だと不動産会社の業務の優先順位が落ちてしまうこともあります。
販売活動・内覧準備
不動産会社と媒介契約を締結したら、実際に販売活動と内覧準備をします。
媒介契約を締結した不動産会社は、物件の広告をネットやチラシに掲載したり、抱えている購入希望者に連絡をして買主を探します。
専属専任媒介契約の場合はこの時点で売主がやることはありませんが、物件が掲載されているかどうか確認しながら不動産会社からの連絡を待ちましょう。
また、この後は購入希望者が物件を内覧することになるので、好印象を持ってもらうためにも家の清掃や整理整頓をしておくことが大切です。
内覧
購入希望者が現れたら、いよいよ内覧です。
購入希望者が内覧をする際は基本的には不動産会社が同席して案内をすることになりますが、売主が物件のアピールポイントを伝えるために同席することもあります。
同席する際には、物件自体の長所や周辺環境について伝えられるように準備しておきましょう。
物件周辺のおいしいお店などの資料を準備しておくと好印象になりやすいうえ、購入希望者との会話が弾むネタになります。
購入希望者も、対応が悪い売主よりは対応が良く相性が良い相手から購入したいと考えているので、物件のPRポイントをしっかりと伝えましょう。
買付(購入申込書)をもらう
内覧で気に入ってもらえたら、不動産会社を通して買付(購入申込書)をもらいましょう。
買付(購入申込書)には購入希望者の購入条件が記載されているため、売主は依頼した不動産会社の担当者と相談して売買契約を締結するか決定します。
この担当者との相談に時間をかけてしまうと、購入希望者が買付をキャンセルしてしまうこともあるので、できるだけ早く決定するようにしましょう。
売買契約
買付(購入申込書)の内容に双方で合意したら、売買契約に移ります。
売買契約は、事前に売買契約書の読み合わせが行われるので、以下のような項目に注意しながら内容に問題がないか確認しましょう。
・売買物件の表示
・売買代金や手付金などの金額と支払い日
・土地の面積・土地代金の精算
・所有権の移転と引き渡し日
・付帯設備等の引継ぎ方法
・税金の精算
・手付の解除
・契約違反時の解除等
・ローン特約
・瑕疵担保責任
ローンを組んで購入する場合に、借入先の金融機関に目星はついているのか、審査の状況などを確認しておくことで売買契約を破棄されるリスクを軽減できます。
引き渡し・決済
最後に、不動産の引き渡しと決済です。
売買契約を結んでから2週間~1か月程度で買主のローン審査の結果が通知されます。ローン審査に通過していれば不動産の引き渡し日の設定をします。
基本的には売主は買主からの連絡を待つしかありませんが、ローン審査が通過したらスムーズに引き渡しを行えるように、物件の整理整頓や住宅ローンを借りている金融機関への連絡をしておきましょう。
これらが全て終われば不動産の引き渡しとなるので、買主から売買代金を受け取った後残債があればローンを完済し、司法書士に抹消登記を行ってもらう必要があります。
また、仲介手数料の残りの額を不動産会社に支払い、諸費用を関係各所に支払えば不動産の売却は完了です。
まとめ
今回は、相続した不動産を早く売却するメリットや売却の流れについて紹介しました。
特に相続した不動産が空き家になってしまう場合には、維持費がなくなり、税金面でも優遇される控除や特例があるので、できるだけ早く売却するのがおすすめです。
不動産を相続した時に慌てて売却をしないためにも、不動産や相続について正しい知識を身に付けておきましょう。
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※こちらの記事は2023年2月時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。
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