終活の選択肢、リースバックとリバースモゲージとは

終活の選択肢、リースバックとリバースモゲージとは
「終活にはどんな選択肢があるの?」「リースバックやリバースモーゲージのメリットとデメリットは?」終活を検討している人の中には、このように考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では終活の選択肢であるリースバックやリバースモーゲージのメリットとデメリットについて紹介しています。この記事を読めば、リースバックやリバースモーゲージのメリットとデメリットについて網羅できますので、是非ご一読ください。

終活に欠かせない自宅の生前整理について



生前整理は、終活に欠かせない重要なステップです。生前整理とは、自分が生きているうちに自宅の財産や持ち物を整理することです。具体的には、不要な物を捨てたり、他の人に譲ったりすることで整理を行います。また、捨てることが難しい品物については、あらかじめ信頼できる誰かに頼んで処分することもあるでしょう。

生前整理を行う理由はいくつかあります。たとえば、高齢になって子どもと一緒に暮らす場合、整理されていない状態では生活が困難になる可能性があります。また、高齢者住宅や介護施設に入居する際には、全ての持ち物を持っていくことが難しいこともあるでしょう。このような場合に、生前整理をしておくことで、人生後半期に向けた重要な準備ができます。

生前整理は体力や気力を必要とする作業であるため、高齢になる前の50代や60代など若い時期から始めることが望ましいです。若いうちから始めれば、焦らずにじっくりと整理を進めることができるでしょう。
さらに、生前整理は長年の暮らしを変える重要なステップであり、後に残される家族にとっても負担を減らす助けとなります。自分の意思を尊重した整理を行い、心地よい環境を整えることで、より豊かな老後を迎えることができるでしょう。

終活の選択肢リースバックのメリット



終活の選択肢として近年注目されているのが、リースバックという方法です。リースバックとは、所有する不動産を不動産会社に売却し、その後も同じ場所で生活を続けることを可能にする手段です。ここでは、リースバックのメリットについて詳しく解説します。

家に住み続けられる

リースバックを利用する最大のメリットは、自宅に住み続けることができる点です。年を取ってから引越しをするのは精神的にも体力的にも負担がかかりますし、特にお子さんが小さい場合には学校の転校などストレスがかかる可能性もあります。リースバックを利用することで、自宅を売却せずに住み慣れた環境を維持することができます。

ただし、リースバックの契約条件によっては住み続けることが難しいケースもあるため、契約時には条件をしっかりと確認しておくことが大切です。

引越しの費用と手間がかからない

リースバックを利用すると、引越し費用や手間を節約することができます。通常の売却と異なり、リースバックでは引越しをする必要がありません。
引越し費用は時期や荷物の量によって異なりますが、家族で引越しをする場合には数十万円以上かかることもあります。また、引越し後に新しい住まいに必要な家具や家電を購入する費用もかかるかもしれません。リースバックを利用することで、これらの費用を削減できます。

ランニングコストがかからない

リースバックを利用すると、所有権が不動産会社に移るため、固定資産税などのランニングコストの負担がなくなります。固定資産税は不動産の所有者が支払う税金であり、所有権が移ることで固定資産税の支払いが不要になるというメリットがあります。
特に地価が上昇し固定資産税が高額になる場合や、相続した不動産の固定資産税が負担になる場合には、リースバックを利用することでランニングコストの軽減が期待できるでしょう。

現金化までの期間が短い

通常の不動産売却では、買い手が見つかるまで現金化することができません。しかし、リースバックの場合は不動産会社が買い取ってくれるため、現金化までの期間が短くなります。すぐにまとまった現金が必要な場合には、リースバックが有効な選択肢となるでしょう。

将来的に買戻しができる

リースバックを利用すると、将来的に売却した不動産を買い戻すことも可能です。たとえば、資金繰りが困難になったタイミングで一時的に売却し、将来的に資金繰りが安定した時に買い戻すことができます。
具体的には、相続財産として現金が手に入った時や、同居する子どもの給与が上がり不動産を購入できる信用力が得られた場合などが挙げられます。ただし、リースバックの契約内容によっては再購入ができない場合や、一定期間を空ける必要がある場合もあるため、事前に契約内容を確認しておきましょう。

リースバックのデメリット



リースバックは終活の選択肢の一つとして見逃せない存在ですが、一方で知っておきたいのがそのデメリットです。ここでは、リースバックのデメリットについて詳しく解説します。

所有権移転登記が行われる

リースバックを利用する場合のデメリットは、所有権が不動産会社に移ることです。自宅が所有物ではなくなるため、相続時に子どもに譲ることや、不動産を担保に融資を受けることができなくなる可能性があります。

家賃の支払いが発生する

リースバックを利用すると、家賃の支払いが必要となります。家賃は自宅の売却価格に応じて決まり、年間の家賃は利回りや周辺相場によって異なりますが、売却代金の10%程度が相場となります。家賃は相場よりも高めに設定されるため、負担に感じる場合もあるでしょう。また、家の売却費用が高いほど家賃も上昇する傾向があるため、注意が必要です。

住み続けられない可能性がある

リースバックは、ずっと住み続けられない可能性があります。リースバック契約の賃貸期間は契約内容によって異なりますが、通常の賃貸物件と同様に2年の契約期間で更新手続きを行い、ほとんどの場合は住み続けることができます。
しかし、契約内容によっては一定期間しか住むことができない場合もあるため注意が必要です。定期借家契約の場合は、貸主と借主の合意がない限り再契約ができません。

また、家賃の滞納があった場合には、退去を求められることも考えられます。リースバックの家賃は高めに設定されているため、家賃の支払いが困難になれば引越しを余儀なくされる可能性がある点は覚えておきましょう。

買い戻す際の費用が高い

リースバックを利用する際、将来的に売却した不動産を買い戻すことを考える人もいるでしょう。しかし、リースバックでは売却価格が市場価格よりも2〜3割低く設定されているため、買い戻す際の費用は市場価格よりも高くなる場合があります。
買い戻すためには多額の費用がかかることがあるため、費用不足の場合は買い戻しを断念せざるを得ないケースもあるでしょう。

終活の選択肢リバースモーゲージのメリット



リースバックとともに、終活の選択肢として挙げられるのがリバースモーゲージです。リバースモーゲージとは、所有する不動産を担保にして銀行など金融機関から借金を受け、生活資金を補うことができる手段です。
しかし、単に借金をする手段とは異なり、リバースモーゲージは高齢者の経済的自立と安定した生活を支える役割を担っています。ここでは、リバースモーゲージのメリットについて詳しく解説します。

自宅に住みながら資金調達が可能

リバースモーゲージは、自宅に住みながら資金調達が可能な制度です。具体的には、自宅を担保にしてお金を借りることができます。そして、その借りたお金を受け取った後も、自宅に住み続けることができるのが特徴です。
リバースモーゲージを利用することで、老後や終活に必要な資金を手に入れることができます。定年退職後の収入が減少しても、返済の心配なく借り入れができるため、生活費や医療費、旅行など、自分らしい老後を楽しむための資金として活用できるでしょう。

終活の一環として、リバースモーゲージを検討することで、自宅に住みながら資金調達ができる利便性や安心感を得ることができます。ただし、個々の状況に合わせた計画と適切な判断が必要です。

高齢者でも利用できる制度

リバースモーゲージは高齢者にとって利用しやすい制度です。一般的な住宅ローンでは申込時や完済時に年齢制限があることが多いですが、リバースモーゲージは高齢者を対象とした制度であるため、年齢制限が緩くなっています。完済時の年齢にも制限がない場合が多いため、比較的高齢の方でも利用できるでしょう。

ただし、申込時には一定の年齢以上である必要がある点には注意が必要です。具体的な年齢制限は金融機関によって異なりますが、60歳以上の方が対象とされる場合が一般的です。また、リバースモーゲージは担保として自宅を使うため、物件の条件や価値によっても影響を受けることがある点は覚えておきましょう。

高齢者にとっては、終活に向けた資金調達としてリバースモーゲージが選択肢として効果的であると言えます。年金や退職後の収入が限られている場合でも、自宅を担保にお金を借りることで、自分らしい生活を維持したり、将来の不安を軽減したりすることができるでしょう。

月々の支出が少ない

リバースモーゲージは、終活の選択肢として月々の支出が少ないのがメリットです。リバースモーゲージでは、元本の返済はご契約者が亡くなった後に行われるため、利息のみを月々の支払いとして行うことになるため、定額の支出が少なくなります。

月々の支払いが利息のみのため、他の住宅ローンと比べて返済負担が軽減されます。特に高齢者にとって、定年後の収入が減少する状況下では、支出を抑えられるのはメリットと言えるでしょう。

また、月々の支出が少ないという利点は、将来の不安を和らげる助けとなります。万が一、健康上の問題や突発的な出費が発生した場合でも、リバースモーゲージで確保している余裕のあるお金を活用することで、生活の安定を保つことができます。

資金の使い道が幅広い

リバースモーゲージでは、借りた資金の使い道が幅広いこともメリットとして挙げられます。リバースモーゲージでは、借りたお金を住宅の取得だけでなく、他の用途にも自由に活用できるのが魅力と言えるでしょう。

たとえば、サービス付き高齢者住宅の入居一時金に充当できます。高齢になった際に自宅を売却して、サービス付き高齢者住宅に移る方も多くいますが、その際に必要な一時金にリバースモーゲージを利用すれば、住まいの変更にかかる費用を賄えるでしょう。

また、金融機関によっては生活費として使える場合もあります。定年退職後の収入が減少しても、リバースモーゲージで借りたお金を生活費に充てることで、生活の安定を図ることができます。趣味や旅行、足りない老後資金の補填など、個々のニーズに応じて使い道が広く、自分らしい老後を送るための資金として柔軟に活用できるのが特徴です。

提供元が信頼できる

リバースモーゲージは、主に大手金融機関や地方自治体が提供している制度です。これにより、提供元が信頼性の高い機関であるため、利用者は安心してリバースモーゲージを活用できるでしょう。
これらの機関は多くの顧客に対応しており、長年の実績と信頼を持っています。そのため、リバースモーゲージを利用する際には、適切な情報提供やアフターサポートが期待できるでしょう。

リバースモーゲージのデメリット



リバースモーゲージは終活の選択肢の一つとして見逃せない存在ですが、リースバックと同様にデメリットもあります。ここでは、リバースモーゲージのデメリットについて詳しく解説します。

相続人から同意を得る必要がある

リバースモーゲージのデメリットとして、相続人から同意を得る必要がある点が挙げられます。リバースモーゲージの契約においては、自宅を担保にした借入の際に、相続人全員の同意が必要です。

リバースモーゲージは、債務者が亡くなった後に自宅を売却する前提で行われるため、家が相続財産として残りません。そのため、リバースモーゲージを契約する際には、相続人全員の同意を得る必要があります。特に配偶者以外と同居している場合は契約が難しくなるでしょう。

このようなデメリットを考慮し、リバースモーゲージを契約する際には将来の相続を考慮して家族との十分な理解を得た上で検討することが重要です。相続人とのコミュニケーションを大切にし、将来にわたる家族の不安を軽減するためにも、リバースモーゲージを利用する際には慎重なプランニングをしましょう。

対象となる不動産が限られている

一般的に、リバースモーゲージでは建物が建っている土地をメインにして不動産の評価額を決定することが多いため、対象となる物件は主に一戸建て物件です。一方、マンションは対象外とされることが多いです。

マンションの場合、建物部分があまり評価されないため、資産価値の下落率が高いと考えられています。リバースモーゲージでは、将来的な担保価値の変動に対するリスクを考慮する必要があるでしょう。
これらのデメリットを理解した上で、リバースモーゲージを検討する際には、不動産の条件や将来のリスクをよく考慮し、適切な選択を行うことが重要です。

金利上昇や不動産価値下落のリスクを負う

リバースモーゲージの金利は、変動金利が一般的です。したがって、長期金利の上昇により、ローンの金利も引き上げられる可能性があります。これにより、月々の返済額が増えるリスクが発生します。

また、リバースモーゲージの担保となる不動産の評価額は定期的に見直されるため、融資限度額が変動し、借り入れ可能な金額が減る可能性もあるでしょう。もし融資限度額を上回る借入が行われていた場合、超過額は返済しなければならないため、月々の利息に加えて支出が増える可能性があります。

これらのリスクを十分に理解し、不動産会社や金融機関に相談しながらリバースモーゲージを利用すると良いでしょう。

契約者や同居人に制限がかかる

リバースモーゲージを契約する際には、契約者に安定した収入があることが求められることがあります。また、同居家族にも制限があります。一般的には、リバースモーゲージの契約者と同居する家族は、本人と配偶者、親、子どもに限定されることが多いです。

まとめ

今回の記事では、終活の選択肢であるリースバックやリバースモーゲージのメリットとデメリットを紹介しました。それぞれに多くのメリットやデメリットがありますが、事前に把握しておくことでトラブルや揉める要因を回避できるでしょう。

財産の中で大きな割合を占める不動産の活用方法を知っておくことで、老後や将来の選択肢の幅が広がります。正しい活用方法が判断できない場合には、不動産会社や金融機関などの専門家に相談するのがおすすめです。

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※こちらの記事は2023年2月時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。