気を付けたい悪質な不動産買取り業者の特徴と対策
気を付けたい悪質な不動産買取り業者の特徴と対策
不動産買取り業者の中には、悪質な手口でだます業者もいます。悪質な業者に引っかかると、高額な費用を請求されたり、売却金額を低く見積もられたりするかもしれません。今回は、気をつけたい悪質な不動産買取り業者の特徴と対策について紹介します。これから売却を考えている人や、取引している不動産業者に不信感を抱いている人はぜひ参考にしてください。
目次
悪質な不動産買取り会社の詐欺手口と狙い
悪質な不動産買取り会社には、共通した詐欺手口があります。気づかず契約をしてしまうとお金を騙し取られてしまいます。大切な資産を取られないためにも、これから紹介する詐欺手口と狙いを確認しておきましょう。
高額な査定額を提示してくる
悪質な不動産買取り会社は、他の不動産会社と比べて高額な査定額を提示してきます。売り手側からすれば、高額な査定額を提示してくれる不動産会社は良く見えるでしょう。しかし、高額な査定額を示す理由が「他の業者とは異なるやり方でやっているので」など、根拠のない理由しか伝えられない場合は危険です。悪質な不動産会社は、嘘をそれっぽく説明するのが上手です。営業トークに騙されずに、データや資料などを確認するようにしましょう。
実際、高額な査定額を提示してくる悪質業者は、売り手が契約をした途端に「この価格ではなかなか売れないので」というような理由で、突然査定額を下げてきます。良心的な業者を装って、目的は相場よりも安い値段で不動産を売却させることです。
売り手としては、他の業者を断って契約をしてしまっているからこそ、「多少下げられても、売れるならば」と考えてしまい、結果的に損をすることになります。
不動産の売値は、相場が決まっています。不動産会社によって多少の前後はありますが、とびぬけて価格が違うことはありません。他の不動産会社と比べて圧倒的に査定額が高い場合は、すぐに信用せずに理由を徹底的に尋ねるか、他の不動産会社にも相談するようにしましょう。
高額な手数料を要求してくる
悪質な不動産会社は、高額な仲介手数料を要求してくるのが特徴です。不動産売買の際に支払う仲介手数料は、不動産会社によって設定額が異なります。しかし、仲介手数料は取引する物件の価格に応じて上限が決まっています。・物件価格400万円超:物件価格×3%+6万円+消費税
・物件価格200万円~400万円以下:物件価格×4%+2万円+消費税
・物件価格200万円以下:物件価格×5%+消費税
小切手で支払をしようとする
売却金を小切手で支払う不動産会社は、悪質な可能性が高いです。小切手で支払うと聞くと、一見しっかりとした会社に感じられるかもしれません。普段小切手で金銭のやり取りをする機会が少ない人からすれば、特別感を得られるでしょう。しかし小切手は、小切手を換金できる取引口座にお金が入っているからこそ、意味をなすものです。口座にお金が入っていなければ、小切手はただの紙切れになってしまいます。
悪徳な不動産会社は、小切手を渡して売主を安心させてから、不渡りを起こして物件をだまし取るのが狙いです。小切手を渡された場合は、小切手が換金できることを確かめてから引き渡しの手続きを行うのが安心です。
基本的に不動産買取り業者は、口座に現金を振り込む形で支払います。「支払いは小切手でお願いします」と言われたら、提案の段階で口座に振込をお願いするようにしましょう。頑なに拒む場合は、お金をだまし取ろうとしている可能性が高いです。
高額な測量費を請求してくる
不動産売却の際には、正しい物件の面積を測るために測量を行います。測量を行う業者は、不動産会社が手配する場合がほとんどです。測量にかかる費用は、通常10~20万円程度が一般的です。そのため50万円、100万円と高額な費用を請求してくる場合は悪質な業者と考えてよいでしょう。高額な測量費が請求されたら、必ず費用の内訳を教えてもらってください。内訳の説明が雑だったり、記載が適当だったりする可能性があります。しかし、内訳は測量に関する知識がなければ間違っているのか正しいのか見分けがつかないものです。金額が高いと感じたら、相場を確認してから契約するか判断するようにしましょう。
悪質な不動産買取り業者の特徴
悪質な不動産買取り業者の手口を確認したところで、続いて特徴について解説します。契約してしまう前に悪質業者かどうか気付けるようになれば、嫌な思いをすることがありません。これから紹介する特徴をもとに、優良な業者を見つけましょう。
営業がしつこい、アポなしで訪問してくる
アポなしで飛び込み営業してくる不動産会社は、悪質な不動産会社の可能性が高いです。通常、不動産買取業者は、不動産を売りたい人から連絡を受けてから自宅に訪問します。突然自宅に押しかけてくることはありません。また、電話で何度も「不動産売りませんか?」「今売らないと損ですよ」としつこく営業してくる業者も、悪質業者の可能性が高いです。悪質業者は、不安を煽ることで早く売らせようとしてきます。急かせて不安を煽ることで、売主に正常な判断や考える時間を与えずに利益を得るためです。
一般的な不動産会社が、売却を急かしてくることはありません。売却スケジュールを決めたり、いつまでに売った方がお得になるという提案はしてくれますが、売主の決断を待たずに進めようとはしません。
媒介契約を急かす
悪質な不動産買取り業者は、媒介契約を急かしてくるのも特徴の一つです。媒介契約とは、不動産会社と仲介の契約を結ぶことです。優良な不動産会社であれば、相談から実際に契約を結ぶまで時間をかけて相談に乗ってくれます。他の業者と比較する時間も与えてくれるでしょう。しかし、悪質な不動産会社は「今すぐ契約しないと、買い主が見つかる可能性が低くなります」「時間をかけているうちに、不動産の価値が下がりますよ」といった言葉で脅し、契約を急かしてきます。「一度帰って検討します」と言った時に引き止めてくる業者は危険です。
また、媒介契約には「一般媒介」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類の契約方法がありますが、悪質な業者は専任媒介契約を勧めてきます。
なぜなら、一般媒介だと、さまざまな不動産会社と契約できるからです。その点、専任媒介契約や専属専任媒介契約だと、3ヶ月間は他の不動産会社と契約できなくなります。その間に他の不動産会社と契約をしないように囲い込みをされ、売却を強要される可能性があります。
おとり広告で宣伝する
悪質な不動産買取り業者は、おとり広告で宣伝し、興味を惹き付けさせるのが特徴です。売却を考えていると、普段よりもさまざまなネット広告やチラシが目につくでしょう。悪質業者は、そうした人たちをターゲットに広告を宣伝します。売却を検討している人に「高値で買ってくれそう!」「素敵なサービスをしている」と思わせ、実際に顔をあわせたところで「あのサービスは終了したんですよ」と伝えれば、嘘かどうかはわからないという考えです。
高値で売れる、多くの付加サービスがある優良な不動産会社と思わせて、一度訪問させると逃さないように契約を急かしてきます。
あまりにもお得すぎる広告を見つけたら、裏があると思ってください。すべての広告がおとりではありませんが、不審に感じたら疑うようにしておくとよいでしょう。
レインズに登録しない
買取りと並行して仲介も検討している方は、レインズに登録しない業者にも気を付けましょう。悪質な不動産買取り業者は、自社で囲い込みをするためにレインズに登録しません。レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのことです。レインズを通じて不動産会社同士で情報交換が行われるため、媒介契約を交わした後、レインズに登録することが義務づけられています。レインズに登録する事で他の不動産仲介業者から「購入を検討している買い主がいる」という情報が得られる可能性が高まります。しかし、悪徳業者は売主と買主の双方から手数料をもらう両手取引をする為に情報の囲い込みをします。
仲介業者を通じて売却が成立する可能性が高まるため、悪質な不動産買取り業者はあえてレインズに情報を登録をしないのです。
優良な業者はすぐにレインズに登録するため、依頼した業者が悪質な業者かそうでないのかを確認するためにレインズを閲覧するのも一つの手です。通常、一般の人がレインズの物件情報を閲覧することはできません。しかし、媒介契約を行った人に限り、自分の物件情報のみ閲覧できます。囲い込みが行われていないか、積極的に売却の手助けをしてくれているか、レインズを確認することで明白になるでしょう。
不動産買取りのトラブル回避対策
悪質な不動産買取り業者にだまされないためにも、買取り時のトラブルを回避できるようにしておきましょう。ここでは、トラブルを回避するために事前にできる対策を紹介します。
売却価格の相場を調べる
悪質な不動産買取り業者は、相場よりも極端に高い査定額を出して、高値で売れると錯覚させてきます。「高値で売れるから良い業者かもしれない!」とだまして契約させるためです。反対に、相場よりも低い査定額を出して、利益をあげようとする業者もいます。そのような業者にだまされないために、売却価格の相場を調べておきましょう。売却価格の相場の調べ方は、近隣の似ている物件の過去の取引価格を調べる方法と、現在近隣で売り出されている物件価格を調べる方法です。似ている物件のため、正確な相場を調べることはできません。しかし、打ち出された査定額が圧倒的に異なる場合は、適正な査定額ではないということです。
優良な不動産買取り業者か判断するためにも、査定額を聞いてからすぐに契約をせずに、一度持ち帰り調べたうえで契約を交わすようにしましょう。調べる暇を与えない業者は、悪質な可能性があるので、当日の契約を迫ってくる業者には注意してください。「今すぐ」と不安を煽ってくる業者ほど、悪質な可能性が高いです。
買取り業者の口コミを確認する
不動産買取り業者に査定をお願いする際は、事前に口コミで評判を確認しておきましょう。ホームページ内では素敵なお客様の声が掲載されていても、他のサイトで口コミを確認すると評判が悪い可能性もあります。買取り業者を探す時は、実際のホームページだけではなくSNSや口コミサイトを見てみましょう。信頼できる業者であれば、「売ってよかった」「対応が良かった」などのコメントが書かれているはずです。
複数の買取り業者に査定を依頼する
不動産の買取りをお願いする場合は、複数の業者に査定を依頼しましょう。複数の業者に査定してもらうことで、実際の売却価格の相場がわかります。適正価格を知るためにも、自分が一番良い条件での売却を叶えるためにも、査定は複数社に依頼するのが安心です。また、査定を依頼する時には、査定価格の詳細を確認しておくと良いでしょう。根拠を持って細かな説明ができる業者は、優良な業者です。反対に、査定額について明確な回答が得られない場合は悪質な業者の可能性があります。
複数社に依頼することで、良い業者を選別しやすくなります。契約を結ぶのは一社でも、査定をお願いする業者が複数社でも問題はありません。「たくさんの業者にお願いするのは失礼じゃないかな?」と考える必要はありません。大切な資産を適正価格で売るためにも、比較検討は大切な時間です。
やりとりは書面で残しておく
悪質な不動産買取り業者は、契約前と契約後で発言が変わることが多いです。口頭で伝えた内容は証拠として残らないため、契約後に伝えても知らぬ存ぜぬを貫かれてしまいます。一番安心できるのは、メールでのやりとりを多く行うことです。大切なことほどメールで文字として残しておくと、証拠として使えます。相手の言った言葉を証拠として残すには、担当者の目の前で簡単にメモ書きしておくと良いでしょう。
不動産トラブル事例データベースを活用する
国土交通省が作成した不動産トラブル事例データベースでは、過去にあった不動産取引に係る争い事が見られます。トラブル事例では、裁判事例と宅建業者に対して行われた行政処分が見られるようになっています。そのため、どのようなトラブルが犯罪となりうるのか、業者の対応を見極める際に役立つでしょう。トラブル事例は「重要事項説明に関するもの」「媒介契約と報酬請求に関するもの」など、トラブル内容ごとにわかれています。内容は事案の概要から経過、最終的にどのような結末を迎えたのかまでわかるようになっています。
業者に対して不信感を抱いた時はもちろんのこと、事前にトラブル事例を知っておくとトラブル対策になるでしょう。
国土交通省ネガティブ情報等検索サイトを利用する
国土交通省ネガティブ情報等検索サイトとは、国土交通省所管の事業者の過去の行政処分歴が検索できるサイトです。検索サイトでは、事業分野と事業者を選択すると事業者名が検索できます。「不動産の売買・管理」「宅地建物取引業者」から気になる事業者名を検索すると、過去に行政処分歴があった場合に検索にヒットします。悪質業者かどうか確認する一つの方法です。
しかし、過去に行政処分歴があった不動産業者が、必ずしも悪質業者とは限りません。過去のトラブルをきっかけに、現在は優良な業者として運営している可能性もあります。検索サイトでは処分を受けた年月も確認できるため、いつ処分を受けたのか確認しておきましょう。
何年も前のものであれば、改心しているかもしれません。反対に1年以内など直近で処分を受けている場合は、悪質業者の可能性が高いと言えます。
悪質な買取り業者に騙されてしまった時は
もしも悪質な買取り業者に騙されてしまった場合は、一人で悩まずにプロに相談しましょう。法律などの知識が必要でもあり、トラブルを解決するのは自分の力だけでは難しいです。下記のいずれかに相談するようにしましょう。・弁護士・司法書士
・全国宅地建物取引業協会連合会
・自治体の相談窓口
全国宅地建物取引業協会連合会は、消費者が安全に不動産取引を行うためのサポートをしている公益社会法人です。トラブルに巻き込まれた時など、不動産に関するあらゆる相談を無料で聞いてくれます。すぐに相談に乗ってほしい時は、まずは全国宅地建物取引業協会連合会に相談するのも一つの手です。
専門の相談員だけではなく、弁護士による無料法律相談も行っています。自分で探す必要がないため、弁護士選びに悩んだ時も安心です。また、自治体によっては不動産相談窓口を設けているところもあります。相談方法など詳しくは自治体のホームページをご覧ください。自分の相談しやすい方法で、プロに頼ってくださいね。
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※こちらの記事は2023年2月時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。
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※こちらの記事は2023年2月時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。
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